秘めた強さ、持たざる者の強さ

ケタ違いの高収益企業

つい先日の日本経済新聞に20✖️✖️年4-6月期のキーエンスの連結業績が
発表されていました(日本経済新聞20✖️✖️年7月付)。お決まりの
棒グラフが添えられています。たまたまキーエンスの右隣にはキャノンのグ
ラフが並んでいる。これを比べてみて妙なことに気がつきました。
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キャノンの連結業績は売上高が濃いグレーで、純利益が薄いグレーの棒グラ
フとなっています。グラフ中に売上高は左軸(0から5兆円まで切ってあ
る)であり、純利益は右軸(0から5000億円まで切ってある)と凡例表
示がある。企業の連結業績を棒グラフで表示する場合は、これが普通でしょ
う。

ところがキーエンスの連結業績グラフは、売上高が濃いグレー、経常利益が
薄いグレーなのはキャノンと同じですが、目盛りが左軸にしかありません。
そこに切ってある数字は0から2000億円まで。これが何を意味するかは
お分かりですね。改めて言うまでもないことかもしれませんが、キーエンス
は売上高と経常利益を同じ数字軸で表示できる企業だということです。

もっと、はっきり言えって? そう、異常なまでの経常利益率を誇る企業だ
ということです。4-6月の売上高は441億円で5%増、これに対する営
業利益は214億円、売上高営業利益率が約50%です。ちなみに『純利
益』が138億円あります。


そこで本題です、なぜキーエンスはこれほどまでに高い利益率を上げること
ができるのか? 少し考えればおわかりいただけると思いますが、キーエン
ス高収益の秘密は決してハードワークによるものなんかではありません。

ハードワークなんて真似しようと思えば、どこの企業だってやれないことは
ない。ましてやキーエンスのように「平均給与を1400万も払うから死ぬ
気でがんばれ」といえば、それに応えようとする人材はまだ日本にいるで
しょう。しかし、そんな人材をいくら集めたところでキーエンスには絶対に
勝てない。なぜでしょうか。
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キーエンス高収益の秘密は、二つあると思います。ただし、ここから先の話
は、あくまでも筆者が取材した相手の話に基づくものであり、キーエンス
社員に対する調査結果に基づくものではないことをご了承ください。

秘密その一。キーエンス営業マンは優れたインタビュアーである。

すなわち
彼らの仕事はセールスではなく、クライアントの話を徹底的に聴くこと。特
にその不満、不都合、不具合を可能な限り引きずり出すことに集中してい
る。しかもクライアント企業の現場で。
今あるテクノロジーを駆使して最適な解を、予算内で提案します
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そして最後に忘れてはいけない要素がありマス。それは、持たない事です。
キーエンスは、自社で開発を行い、テストマーケティング迄行えば、製造は完全に外注です。つまり工場を持ちません。今そこに既にある方法の組み合わせの新価値を生み出す設計図ダケ渡して、後はシッカリと安価に作らせること…この事が、如何に身軽であり予定通りの予算で、自らも予定通りの利益を獲得する事は、想像できますよね。

同社の私の友人も、スゴく空気を和ませる、すごい、ナチュラルなインタビュアーでしたネ。